交通事故
タクシー会社を経営していれば交通事故は避けられない問題です。このページでは交通事故が起きた際にとるべき行動について説明します。
事故発生時に当事者同士がすべきこと
- 被害者の救護
- 相手の身元確認(名前、住所、電話番号)
- 相手の保険会社(名前、電話番号)
- こちらの身元や保険会社を相手に伝える
- その場で警察への連絡(交通事故証明書の取得)
※取手警察署0297-77-0110
※交通事故証明書は基本的に保険会社が取得するので、警察からはもらいません。
※警察署のかたが来たらタクシーに備え付けてある自賠責保険の契約書を見せます
事故発生後に保険会社へ連絡する
運行管理者が知っておくべきことは次の3つです。
- 被害者の情報(氏名、住所、電話番号、車のナンバー、車の損傷具合)
- 加害者の情報(氏名、住所、電話番号、車のナンバー、車の損傷具合)
- 事故の状況(発生日時、場所、道路状況、事故発生の流れ)
「自動車保険 事故連絡票」という用紙が各保険会社ごとにあるので、それに必要事項を記載してFAXで送るのが一般的です。
取締役が謝罪訪問する
事故直後なら
コンビニのスイーツ
事故から2、3日経っているなら電話でアポを取った後に
2000円程度の菓子折りと謝罪文
を持っていきましょう。
アポ電話の例文
〇〇会社で取締役をしております、〇〇と申します。
おざわ様のお電話でよろしいでしょうか?
この度は弊社の運転手が後ろから追突したとのことで、誠に申し訳ございませんでした。
つきましては、謝罪をしにご自宅へ伺わせていただきたいのですが、よろしいでしょうか。
ご都合のよろしい時間帯はありますでしょうか。
{留守電}
〇〇会社で取締役をしております、〇〇と申します。
交通事故の件でお話したいことが有りまして、御電話させていただきました。
折り返しお電話いたします。
失礼します。
謝罪文の書き方
お詫び
この度はご迷惑をおかけしてしまい、大変申し訳ございませんでした。
弊社の従業員の不注意で後方から追突してしまい、お車に傷をつけてしまったり、精神的に大きな負担をかけてしまったこと、重ねてお詫びを申し上げます。
この度の事故は、弊社が社員に対して安全確認に対する教育を十分に行えていなかったことが原因であることは明らかで、事故に巻き込んでしまったことに対しては、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。深く反省しております。
改めまして、多大なご迷惑をおかけしましたこと、本当に申し訳ございませんでした。心ばかりですがお詫びの品を用意しましたので、どうかお納めください。
令和6年5月16日 ○○会社
謝罪文の仕方
気をつけるべき点は次の3つです。
- 玄関で謝罪すること(家の中に入らない)
- 賠償金に関する具体的な内容に触れないこと
- 「心ばかりのものですが、どうぞお納めください」と言って菓子折りを渡すこと
相手が相当怒っていて、菓子折りを受け取ってもらえなかった場合は、無理せずに持ち帰りましょう。
損傷したタクシーの修理
車がさほど凹んでいなければ、次の日の当番の運転手に乗ってもらいましょう。
問題は車が凹んでいた場合です。
損傷したタクシーを正社員の運転手2人が交互に乗っていた場合、
事故を起こしていないほうの運転手も車に乗れなくなってしまいます。
この場合はアルバイトを休ませて、その車に正社員を乗せてあげましょう。
保険会社からの連絡
保険会社から数回、連絡が来ます。
事故の過失割合や賠償金の支払などについて説明されます。
一般的に賠償金は保険会社が建て替えて支払い、年度末に会社が一括して払います。
運転手の扱い
事故を起こした運転手への対応が次の流れに進みます。
- 自宅で謹慎処分するように伝える(事故発生直後)
- 解雇 or 始末書を書かせる
運転手の解雇
解雇には当月解雇と翌月解雇があります。
当月解雇した場合は前3ヶ月分の給与を平均した1ヶ月分の解雇金を支払わなければなりません。
なので通常は翌月解雇にします。
1ヶ月以上先の解雇ならば、解雇金を支払う必要がないからです。
雇用保険や社会保険の書類手続きもあるので、解雇日は給料締切日(20日)にするといいです。
始末書
始末書は特に決まった形式はありません。
「同様の問題を再び起こしたら解雇されても構いません」という旨を書かせるだけです。
また事故を起こされるのも嫌なので古い車両に担当を変えさせてもいいでしょう。
警察の事情聴取
警察に事故の状況を話した後、
ドライブレコーダーのデータをUSBに入れて渡します。
監査
事故で被害者が死亡・重症を負った場合は、陸運局からの監査が入ります。
乗務記録などの書類の取り調べをされます。
詳しい情報はこちらのページをご参照ください。
事故が起きれば必ず監査が来るわけではありません。
事故被害者が死亡・重症を負った場合に監査が入ります。
特定診断I
交通事故を起こした運転手をふたたびタクシーに乗せる場合は
NASVAで特定診断Iという講習を受けさせなければなりません。